大画面にただ一人大きな目でジッとこちらを見てくる少女、何もない空間に立ちつくし物思う子犬。孤独に、そして時には反抗的に見えるこの子供たちや動物たちは、日本のネオポップアートを代表する作家、奈良美智が描くモチーフとして世界中の人々に親しまれている。1959年、青森県弘前市生まれ。愛知県立芸術大学美術学部を卒業し、同大学大学院を修了した後に渡独。1988年にドイツ国立デュッセルドルフ芸術大学に入学後、12年間にわたりドイツを活動の拠点とする。ドイツ出身の作家として著名なA.R.ペンクに師事し、1993年にマイスターシュウラー（修士号）を取得。1998年にはカリフォルニア大学ロサンジェルス校芸術学部絵画科の客員教授として招聘される。2000年にドイツから日本へ帰国、2005年より栃木県に在住。2001年横浜美術館での“I Don’t Mind If You Forget Me”は公立美術館で開かれた初の個展、その後の熱狂的なファンを生み出す契機となる。2003年からはデザイナー豊嶋秀樹とのコラボレーションを開始し、現在まで奈良のアトリエが持つ独特の雰囲気を反映させた小屋型インスタレーションを世界中の美術館やギャラリーにて創出する。2006年には地元弘前市で“Yoshitomo Nara + graf: A to Z”と題した大規模な展覧会を開催。数多くのボランティアスタッフと共に、アルファベットの26文字にそれぞれ相当する26の小屋型インスタレーションを含む計40の小屋を建造し、故郷にアートの街を作り上げる。今日に至るまで、以下の展覧会を含む数多くの個展やグループ展が国内外の美術館やギャラリーで開かれる。。

“ 放課後のはらっぱ—植田伸也とその教え子たち”(2009)
愛知県美術館、愛知

“Yoshitomo Nara + graf” (2008)
BALTIC Centre for Contemporary Art, Gateshead, United Kingdom

“KITA!!: Japanese Artists Meet Indonesia” (2008)
Cemeti Art House, Yogyakarta, Indonesia

“Sympathy for the Devil: Art and Rock and Roll Since 1967” (2007)
Museum of Contemporary Art, Chicago

Shanghai Biennale (2006)
Shanghai

“From the Depth of My Drawer” (2004)
原美術館、東京
(以後2005年にかけて日本とソウルを巡回)

“Nothing Ever Happens” (2003)
Museum of Contemporary Art, Cleveland
(以後2005年にかけて アメリカ国内を巡回)